海での散骨を選ぶ人が増加中|家族葬とともに広がる新しい供養方法

2025.02.19

コラム



近年、海での散骨を選ぶ人が増えています。
家族葬を選ぶ人が増えたことで、葬儀のあり方だけでなく、その後の供養の形にも変化が生まれています。
これまでのように大規模な葬儀を行い、お墓を建てて供養するのが一般的でしたが、
近年は「シンプルに見送りたい」「費用を抑えたい」「お墓の管理負担を減らしたい」と考える人が増えています。
その流れの中で、お墓を持たずに海での散骨を選ぶ人も増加しています。
「お墓の管理が大変」「跡継ぎがいない」「故人が海を愛していた」などの理由から、自然に還る供養の形として海洋散骨が注目されています。

とはいえ、
「海での散骨ってどうやるの?」
「どこでできる?」
「費用はどのくらい?」

といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか?
本記事では、海での散骨の流れや費用、選び方のポイントを詳しく解説します。

海での散骨が増えている理由とは?

海洋散骨を選ぶ人が増えている背景には、お墓の管理負担や費用の問題価値観の変化などがあります。
ここでは、主な理由を詳しく見ていきましょう。

お墓を持たない供養を選ぶ人が増加

従来は、「お墓を建てるのが当たり前」という価値観がありましたが、
近年では「お墓を持たない」という選択をする人が増えています。

◆お墓を持たない供養を選ぶ理由

  • ・お墓を建てるには高額な費用がかかる(一般的に100万〜200万円)
  • ・お墓の維持・管理が大変で、後継者の負担が大きい
  • ・お墓参りが難しく、遠方の親族が管理できない
  • ・「自然に還る供養をしたい」と考える人が増えている
特に都市部では、「家族が遠く離れて暮らしている」「お墓を継ぐ人がいない」という状況が増えており、「お墓を持たない代わりに、海に還す散骨を選ぶ」という人が増えています。

墓じまい・お墓の管理問題で散骨を選ぶ人も

すでにお墓を持っている人の中には、「墓じまい」をして散骨を選ぶ方も増えてきています。

◆墓じまいとは?

「墓じまい」とは、お墓を撤去して更地に戻すこと。
近年、高齢化やライフスタイルの変化により、 「お墓の管理ができない」「跡継ぎがいない」という理由で墓じまいをする人が増えています。


◆墓じまいをして散骨を選ぶ理由

  • ・お墓を守る人(後継者)がいないため、将来的に管理が難しくなる
  • ・遠方に住んでいるため、お墓参りや維持が困難
  • ・「遺骨をどうする?」と考えたときに、散骨という選択肢を知る
  • ・お墓を撤去すると管理不要になり、経済的負担が減る

墓じまいには一定の費用がかかりますが、長期的な維持費が不要になるため、負担を減らせるメリットがあります。

家族葬が増える中で「シンプルな供養」を希望する人も

最近では、「できるだけシンプルに、負担の少ない形で供養したい」という考え方が広がっています。
家族葬を選ぶ人が増えているのも、その流れの一つです。
海洋散骨が注目される背景には、この「シンプルな供養を求める流れ」が影響しています。

◆「シンプルな供養」を選ぶ理由

  • ・形式にとらわれず、自然に還る供養をしたい
  • ・亡くなった後の負担を、家族にできるだけかけたくない
  • ・法要や墓参りのしばりがなく、自由な供養の形を選びたい
  • ・葬儀を小規模にしたので、供養もシンプルにしたい

従来は、「お墓を持たない場合=永代供養(納骨堂)」 という選択が一般的でしたが、
「せっかくなら、自然に還る形がいい」と考える人が増え、海への散骨が選択肢として広まっています。


海への散骨ってどうやるの?流れを解説


火葬後の遺骨の扱い方(自宅安置orすぐ散骨?)

火葬が終わった後、遺骨をどうするかは人それぞれですが、すぐに散骨するケースは少なく、多くの人が一定期間、自宅で保管することを選びます。

◆遺骨の扱い方は主に2つ



①自宅で安置し、四十九日や一周忌に散骨する

  1. ・「まだ気持ちの整理がつかない」「家族と相談したい」といった理由で、手元供養するケースが多い。
  2. ・遺骨は湿気を避け、カビが生えないように適切に保管することが大切。


②すぐに散骨の準備をする

1.散骨には「粉骨(遺骨をパウダー状にする処理)」が必要。
2.船の予約や業者の手配に時間がかかるため、即日散骨は難しい。
3.散骨までの期間の目安
  ・1〜2ヶ月以内に散骨をする場合:すぐに準備を始める
  ・四十九日・一周忌などの法要に合わせる場合:それまで手元で保管


散骨のタイミングと準備すべきこと


海で散骨をするには、タイミングと準備が重要です。
特に、海洋散骨には天候や業者のスケジュールが関係するため、計画的に進める必要があります。


◆いつ散骨するのがベスト?


  • ・四十九日や一周忌に合わせる(家族が集まりやすい)
  • ・春や秋など、天候が安定している時期を選ぶ(冬の海は荒れやすい)
  • ・故人の誕生日や命日に散骨する(思い出を大切にできる)

◆散骨の準備リスト


  • ・家族と話し合い、親族の意向を確認する
  • ・粉骨をする(遺骨を細かくしておく)
  • ・散骨する場所を決める(どの海域で行うのか)
  • ・散骨プランを決める(船をチャーターするか、合同散骨か)
  • ・船や業者の手配をする(早めに予約が必要)
  • ・当日の天候をチェックする(波が高い日は中止になることも)

◆注意点


・法律的には海洋散骨は問題ないが、散骨場所にはルールがある
(漁業が盛んな海域や、海水浴場の近くでは散骨できない)
・「散骨したい!」と思っても、準備には時間がかかるため、散骨の準備には1ヶ月以上の余裕を持つのが望ましいとされています。粉骨や予約に最低2週間~1ヶ月かかるため、直前の依頼は難しいことが多いです。


どこの海で散骨できる?選び方とおすすめの場所


日本で散骨が許可されている海域


日本では、法律上、海での散骨は明確に禁止されていません。 ただし、どこでも自由に散骨できるわけではなく、漁業や観光に影響を与えないよう、一定のルールを守る必要があります。


◆散骨が許可されている主な海域


  • ・沖合(港から一定の距離がある海域)
  • ・漁業や観光に影響のないエリア
  • ・海水浴場・漁場・人が集まる場所から離れた場所

一般的に、港から2km以上沖に出た海域で散骨を行うことが推奨されています。
これは、漁業や観光地と重ならないようにするための配慮です。

また、環境省のガイドラインでは、 散骨する際は、「焼骨は、その形状を視認できないよう粉状に砕くこと。」などの注意点が示されています。



◆散骨が禁止されている場所



  • ・海水浴場や漁業権が設定されている海域、港湾の近くでは散骨できない。
  • ・2km以上沖合に出た場所で散骨を行うのが一般的なルール。
  • ・地域ごとに条例で散骨が規制されている可能性があるため、事前確認が必要。


地域ごとの特色(太平洋・日本海・瀬戸内海など)


日本には多くの海がありますが、散骨に適した海域は、地域ごとに異なる特色があります。
故人の思い出や、家族の希望に合わせて、適した海を選ぶのがおすすめです。


①太平洋(関東・東海・近畿・四国・九州)



1.広大で開放的な景色が広がる

2.比較的温暖な気候で、1年を通して散骨しやすい
3.東京・神奈川・千葉など、関東エリアでは散骨業者が多く利用しやすい

◆主な散骨エリア:
東京湾(千葉・神奈川):都心からアクセスしやすく人気
相模湾(湘南・江の島):景観が美しく、観光地としても有名
駿河湾(静岡):日本一深い湾で、静かな海域


②日本海(北陸・山陰・東北・北海道)


1.夕日の美しさが魅力(特に新潟・金沢・山形・秋田など)
2.冬は荒れやすいが、夏場は穏やかで散骨しやすい
3.都市部から離れており、静かな海域が多い


◆主な散骨エリア:
・能登半島(石川):自然が豊かで静かな海域
・秋田・新潟沖:穏やかな景色


③瀬戸内海(広島・岡山・香川・愛媛など)


1.内海なので波が穏やかで散骨しやすい
2.多島海で景観が美しく、ゆったりとした雰囲気
3.関西・中国地方からアクセスしやすい

◆主な散骨エリア:
・広島湾:島々が点在し、景色が美しい
・小豆島周辺:エメラルドグリーンの海と穏やかな雰囲気


故人の思い出の地やアクセスのしやすさを考慮

散骨する海を選ぶ際に、「どの海にするか?」を決める基準はさまざまですが、
故人の思い出や、家族が訪れやすい場所を考慮することが大切です。


◆海を選ぶ基準


・故人のゆかりの地(生まれ故郷・旅行先など)
・家族が訪れやすい場所(供養のために再訪しやすい海)
・散骨のしやすさ(業者の対応エリア・アクセスなど)
・天候や気候(冬は荒れやすい海がある)


◆こんな理由で選ばれることが多い


・「故人が釣りやマリンスポーツが好きだった」→よく行っていた海で散骨
・「家族旅行でよく訪れた場所」→思い出のある海域を選ぶ
・「家族が住んでいる場所から近い」→アクセスのしやすさを重視

実際に散骨をした人の中には、「毎年、命日にその海を訪れて手を合わせる」という方も多くいます。
そのため、散骨する海を選ぶ際は、「家族にとっても大切な場所かどうか?」も重要なポイントになります。


海での散骨にかかる費用はどれくらい?


海洋散骨は、お墓を建てるのに比べて費用を抑えられる供養方法として注目されています。br> しかし、散骨の種類やプランによって費用が大きく異なるため、あらかじめ相場を知っておくことが大切です。

ここでは、「お墓と海洋散骨の費用比較」、「散骨の種類ごとの費用」、そして「家族葬との組み合わせで供養をシンプルにする方法」について詳しく解説します。

お墓と海洋散骨|費用比較(どちらが安い?)


お墓を建てる場合と海洋散骨をする場合では、かかる費用が大きく異なります。
それぞれの費用の目安を比較してみましょう。


◆お墓を建てる場合の費用


1.墓石代+永代使用料+墓地管理費がかかる
2.全国平均で100万〜200万円程度
3.毎年、管理費(5,000円〜1万円程度)が必要

具体的な内訳

・墓石代:50万〜150万円(デザインや素材による)
・永代使用料:50万〜100万円(都市部ほど高い)
・年間管理費:5,000円〜1万円程度


費用が高くなる要因

・都市部の墓地は土地代が高いため、永代使用料が高額
・墓石の種類やデザインによって価格が大きく変動
・墓地を維持するために、管理費がかかる


◆海洋散骨の費用


海洋散骨の費用は、お墓を建てるよりも抑えられる傾向があります。散骨の種類によって異なりますが、3万円〜50万円程度が相場です。具体的な費用は以下の表を参考にしてください。

散骨費用の目安 費用が抑えられる理由

・お墓のように土地を必要としない
・墓石や管理費が不要
・散骨後の供養は自由なスタイルで行える(法要・お参りなど)


家族葬との組み合わせで供養をシンプルにする方法


家族葬の増加とともに、「お墓を持たず、シンプルに供養をしたい」という考え方が広がっています。
その流れの中で、海洋散骨を選ぶ人が増えていることも事実です。

・家族葬は少人数で執り行うため、その後の供養方法もシンプルになりやすい
・お墓を建てないことで、管理の負担がなくなる
・家族だけの小規模な供養のため、個別散骨や代理散骨と相性が良い



海での散骨を選んだ人のリアルな声


「お墓より負担が少なく、気持ちが楽になった」


お墓を持つ場合、購入費・維持費・お墓参りの負担など、経済的・精神的な負担がつきものです。
しかし、海洋散骨を選んだ人の中には、「お墓を持たないことで気持ちが楽になった」 と感じる人も多くいます。

◆実際の声

「高額な費用をかけなくても、しっかりと供養できたのがよかった」
「遠方のお墓まで行く必要がなく、いつでも心の中で手を合わせられる」
「お墓の管理のことを考えなくていいのが、精神的に楽だった」
特に、お墓の継承者がいない家庭や、跡継ぎに負担をかけたくないと考える人にとって、海洋散骨は合理的な選択肢となっています。

「やってみて分かった、事前に知っておくべきこと」



海洋散骨は、お墓を持たない供養方法として注目されていますが、
実際にやってみて「事前に知っておけばよかった」と思う点もあるようです。


◆実際の声

・「墓じまいからだと思ったよりも準備に時間がかかるので、もっと早く動けばよかった」
・「散骨場所の選び方が重要。どこでもできるわけではないので注意が必要」
・「当日の天候によっては延期になることもあると知っておくべきだった」


事前に準備すべきこと

1.墓じまいの手順を把握しておく
2.散骨を行うエリアやルールを調べておく
3.粉骨の準備をしておく(業者に依頼する)
4.散骨業者に早めに相談し、希望日程を確保する
5.家族と話し合い、納得した上で決定する

海洋散骨は自由度の高い供養方法ですが、事前の準備が大切です。



これからの供養は「自分に合った選択肢」を考える時代

時代の変化とともに、供養の形も多様化しています。
従来の「お墓を持つ」という考え方だけでなく、家族葬や海洋散骨のように、シンプルで自由な供養を選ぶ人も増えています。


◆「家族葬+海洋散骨」という新しい供養の形


・家族葬の増加に伴い、お墓を持たない供養が注目されている
・家族だけで静かに見送るスタイルが、海洋散骨と相性が良い
・シンプルな供養を希望する人にとって、合理的な選択肢

「供養はもっと自由にしていいのでは?」という考えが広がり、
家族葬と海洋散骨を組み合わせるケースが増えています。
「お墓がないと供養にならない」という考え方は、少しずつ変わりつつあるのかもしれません。


費用・手間・想いを総合的に考えて決めることが大切



・費用面では、海洋散骨はお墓よりも負担が少ない
・管理の手間がないため、家族への負担が少ない供養方法
・「故人の想いを大切にできるか?」という視点も重要



供養の方法を決める際には、
「費用」「手間」「家族の考え」「故人の希望」を総合的に考えることが大切です。
何より、家族全員が納得できる形を選ぶことが後悔しないポイントになります。


まずは無料相談資料請求で情報を集めるのがおすすめ




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