【海洋散骨は違法なのか?】海洋散骨を含む法律と違法性

2024.11.18

コラム

海洋散骨は違法なのか?

 

日本では、「海洋散骨が違法ではないか」と疑問を持つ人が少なくありません。特に海洋散骨のように遺骨を海に撒く方法については、法律的な曖昧さが原因で誤解が広がっています。海洋散骨全般に焦点を当て、法律やガイドライン、海洋散骨が違法となるケースについて詳しく見ていきましょう。

海洋散骨が「違法」とされる理由

1. 墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)の誤解

日本には「墓地、埋葬等に関する法律」(以下、墓埋法)があります。この法律の第4条には、「埋葬または焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域で行ってはならない」と規定されています。この条文から、墓地以外での遺骨の取り扱いは違法と解釈されがちです。しかし、墓埋法の目的は、公衆衛生の確保や公共の秩序維持であり、供養の一環として節度を持って行われる海洋散骨は、この法律の規制対象外とされています。※日本の法令データベース「e-Gov法令検索」(引用元)

2. 刑法第190条(死体遺棄罪)との関連

刑法第190条では、死体や遺骨を損壊、遺棄、領得する行為を禁止しています。この規定から、海洋散骨が「遺棄」に該当するのではないかという懸念が生じます。しかし、供養として節度を持って行われる場合、刑法上の「遺棄」には該当せず、海洋散骨が違法にはなりません。 法令データ提供システム(e-Gov):刑法190条  (引用元)

3. 社会的な認識のズレ

海洋散骨は、伝統的な墓地葬や納骨の文化とは異なるため、「故人を大切にしていない」「不謹慎ではないか」と感じる人が多いです。こうした社会的な認識のズレが、「海洋散骨は違法」という誤解を生む原因にもなっています。

 

海洋散骨が違法となるケース

海洋散骨が違法となるケース 海洋散骨は法律上許容される行為とされていますが、以下のような条件を満たさない場合には、海洋散骨が違法とみなされる可能性があります。また、法的には違反とならなくても、社会的な問題を引き起こすケースもあるため、慎重な配慮が必要です。

1. 環境への影響を無視した場合

遺骨をそのままの形で撒いたり、大量の異物を含めて海洋散骨する行為は、環境保護の観点から問題視される可能性があります。この場合、廃棄物処理法に違反するリスクが生じます。 環境省公式サイト廃棄物処理法について(参照元)  

廃棄物処理法との関係

廃棄物処理法は、公衆衛生を守るために制定された法律で、遺骨そのものは廃棄物として扱われません。ただし、遺骨に異物が含まれている場合や、適切に粉末化されていない遺骨を撒いた場合は、「環境を汚染する行為」として廃棄物処理法に抵触する可能性があります。

環境への影響の具体例

・粉末化されていない遺骨:海や川の生態系に悪影響を与える可能性があります。
・異物の混入:花束や祭壇用の小物などの異物が海洋に流れ出ると、プラスチックごみとして環境問題を引き起こす原因となります

環境配慮の具体的な方法

・遺骨を事前に粉末化する(日本ではほとんどの業者がこの手順を必須としています)。
・自然に還るもの(生分解性の紙や花びらなど)のみを使用する。

 

2.公共の場で行った場合

海洋散骨を公共の場所で行うことは、法律違反に問われる可能性は少ないものの、社会的な問題として扱われることが多いです。公共の場は、多くの人が共有するスペースであり、他者への迷惑行為とみなされる可能性があります。

問題となる具体例

・公園での散骨:広場や花壇など、一般の人が利用する場所で海洋散骨を行うと、不快感を与えたり管理者から苦情を受けたりする可能性があります。
・河川や海水浴場での散骨:漁業関係者や観光地の利用者にとって、衛生面での懸念を抱かれる場合があります。

海洋散骨が違法とみなされる可能性

公園や河川敷での海洋散骨は、地域の条例や管理規則に抵触する場合があります。また、許可を得ずに行う行為は「公共の秩序を乱す行為」として警告や罰則を受ける可能性があります。

 

3.遺族間での合意がない場合

海洋散骨は、一度行ってしまうと取り消すことができません。そのため、遺族全員の同意が得られない場合、海洋散骨が違法となるわけではありませんが、散骨が原因で深刻なトラブルに発展することがあります。これは法的な問題として扱われることは少ないものの、社会的・道徳的な批判を受ける可能性があります。

遺族間の意見の分裂

・伝統的な葬送を重視する家族:墓地に納骨することを望む一方で、他の家族が海洋散骨を主張。
・故人の意向が曖昧な場合:遺族が故人の意思をめぐって意見が割れる。

対策

・散骨を決定する前に、家族全員で十分な話し合いを行う
・故人の意向が明確な場合、その意思を尊重する形で話し合いを進める。

4.地域のルールに違反した場合

地域や自治体ごとに、海洋散骨に関する独自の規制が存在する場合があります。これに違反すると、海洋散骨が違法ではなくても、地域社会から批判を受けたり、現地での活動が制限される場合があります。

自治体や漁業組合の規制

・漁業組合のルール: 一部の漁業組合では、漁場での海洋散骨を禁止するルールを設けています。これは、漁業環境への影響を懸念するためです。
・地域による許可や届出の必要性: 地域によっては、海洋散骨を行う場合に事前の許可や届出が必要とされる場合があります。

トラブルの具体例

・漁業権の侵害: 漁場での海洋散骨が漁業組合の規定に違反し、トラブルに発展。
・観光地での無許可散骨: 観光地で無許可の海洋散骨が問題視され、地元住民や観光客から抗議を受ける。

海洋散骨が合法とされる理由

海洋散骨が合法とされる理由

海洋散骨は、日本の法律で明確に規定されていないものの、供養の一形態として行われる限り合法と解釈されています。このセクションでは、海洋散骨違法とされない理由や関連する法律、推奨事項について詳しく解説します。

 

1.法律で直接規定されていないため、違法ではない

日本には海洋散骨を直接規定する法律が存在しませんが、墓地や埋葬を管理する法律や刑法の解釈によって、適切に行われる限り海洋散骨違法ではないとされています。

墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)

・内容: 墓埋法第4条では「埋葬または焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域で行ってはならない」と規定されています。
・散骨への適用: この法律は墓地での埋葬や焼骨を対象とするものであり、海洋散骨は対象外とされています。ただし、適切な方法で行わなければ、地域社会との摩擦を招く可能性があります。

刑法第190条(死体遺棄罪)

・内容: 死体遺棄罪は、遺体や遺骨を不適切に放置・処分する行為を禁止しています。
・散骨への適用: 供養として行われる海洋散骨は「廃棄行為」ではなく「供養行為」として解釈され、刑法第190条の対象外とされています。適切な意図と方法が求められるのはこのためです。

 

2.遺骨に関する推奨事項

海洋散骨が適切に行われるためには、地域の規制や環境への配慮を踏まえた方法が必要です。以下は一般的に推奨されている事項です。

・遺骨を粉末化する:遺骨をそのまま撒くのではなく、粉末状に加工することが推奨されています。これにより、環境への影響を最小限に抑え、他者に迷惑をかけるリスクを軽減できます。
※多くの専門業者が遺骨の粉末化サービスを提供しています。粉末化された遺骨は自然に還りやすく、海洋散骨後の視覚的な影響も少なくなります。

・沖合で行う:海洋散骨は、沿岸から少なくとも2~3キロメートル以上離れた沖合で行うことが推奨されています。漁場や観光地、海水浴場への影響を避けるため。
※専門業者を利用することで、安全かつ環境に配慮した場所で海洋散骨を行うことができます。

・公共の場や観光地を避ける:公園、河川敷、観光地などでの海洋散骨は、他者に迷惑をかける行為とみなされる可能性があります。地域住民や観光客への配慮が求められます。
 無許可で公共の場で海洋散骨を行うと、地域の条例や規則に違反する可能性があります。事前に自治体や管理者に相談し、許可を得ることが重要です。

3.海洋散骨が合法とされる背景

海洋散骨が法律上許容される背景には、供養としての意図が明確であることと、社会的に受け入れられつつある点が挙げられます。


供養としての意図がある

海洋散骨は「自然に還す」という供養行為として広く認識されています。遺族が故人を敬い、尊重する形で行われる場合、社会的に許容されやすい行為です。 

法律の対象外である

墓埋法や刑法が適用されない範囲で行われる海洋散骨は、法律違反とならないと解釈されています。ただし、地域や環境への配慮が必要です。

社会的受容の広がり

墓地不足やライフスタイルの多様化に伴い、海洋散骨が新たな葬送スタイルとして受け入れられつつあります。環境保護意識の高まりも、海洋散骨の普及に影響を与えています。

 

海洋散骨を合法的に行うための注意点

海洋散骨は、適切な手順と配慮をもって行われる場合に限り、法律的な問題を避けることができます。

1.適切な計画と場所の選定

海洋散骨を計画する際、場所の選定は非常に重要です。法律の遵守と社会的な配慮を徹底することで、トラブルや海洋散骨が違法とならないようにできます。

場所選びのポイント

・漁場や観光地を避ける :漁場や観光地で海洋散骨を行うと、地域住民や観光客に迷惑をかける可能性があるため避けるべきです。
※特定の漁場や自然保護区では海洋散骨が禁止されている場合があります。事前に地元自治体や漁業組合に確認を行い、規制を遵守してください。

・沖合での実施 :沿岸から少なくとも2~3キロメートル以上離れた沖合での海洋散骨が推奨されています。
※海流や潮の流れを考慮し、安全かつ環境に配慮した場所を選ぶ必要があります。専用の船舶を使用し、天候や波の状況を事前に確認することでトラブルを防ぐことが可能です。

計画のポイント

・地元の漁業組合や自治体への相談: 海洋散骨を予定している地域では、独自のルールが設けられている場合があります。特に、漁業権が設定されているエリアや観光資源保護地域では、海洋散骨が禁止されていることもあります。

・船舶の手配や天候の確認 :海洋散骨を行う場合、専用の船舶を手配し、安全な航行が可能な日程を計画することが必要です。

 

2.専門業者の利用

海洋散骨を初めて行う場合、専門業者に依頼することが推奨されます。業者は法律や地域ルールに詳しく、安全かつ適切な手続きで海洋散骨をサポートします。銀河ステージでも海洋散骨のサービスを行っております。

業者を利用するメリット


・法律やマナーへの準拠:
業者は海洋散骨に関する法規や地域ルールに精通しており、海洋散骨が違法とならないよう適切なアドバイスとサービスを提供します。
※環境保護の観点からも配慮が徹底されており、法令遵守を重視した業者を選ぶことが重要です。

・粉骨サービスの提供:遺骨を粉末化することで、環境への影響を最小限に抑えることができます。
※専門業者が提供する粉骨サービスは、高度な設備を使用しており、遺骨を細かく加工して自然に還りやすくします。

・船舶の手配と運営サポート:海洋散骨の場合、専用の船舶を手配し、遺族の希望に応じたセレモニーを提供します。
※業者は海洋散骨ポイントまでの航行、儀式の進行、海洋散骨後の証明書発行など、全体のプロセスをスムーズに管理します。

業者選びの注意点

・信頼できる業者を選定:口コミや評判を確認し、契約内容を十分に把握した上で依頼してください。
・費用とサービス内容の確認:提供されるサービスと費用の詳細を事前に確認し、契約に際して納得することが重要です。

 

3.遺族全員の同意

海洋散骨は一度行うと取り消すことができません。そのため、家族全員の合意を得た上で進めることが重要です。

同意形成のためのポイント

・事前の話し合い:故人の意思や家族の意向を十分に共有する場を設けることが不可欠です。
※専門家やカウンセラーを交えた話し合いを行うことで、スムーズな合意形成が期待できます。

・故人の遺志の確認:生前に海洋散骨を希望していた場合、遺言書や生前の発言を基に家族間で合意を図ります。
※明確な遺志がない場合でも、家族全員の意見を尊重し、慎重に計画を進めることが求められます。

・宗教的背景や文化的配慮:家族の中には、伝統的な葬送方法にこだわりを持つ人がいる場合もあります。
※宗教や文化に応じた海洋散骨方法を選択することで、家族間の協力を得やすくなります。

同意が得られない場合のリスク

同意が得られないまま海洋散骨を実施した場合、遺族間の信頼関係が損なわれる恐れがあります。家族間のトラブルを防ぐため、事前に十分な話し合いを行うことが不可欠です。



4.地域のルールに違反した場合

地域ごとに海洋散骨に関する独自の規制が設けられていることがあります。特に漁業関係者や観光資源を保護するためのルールに違反すると、トラブルが発生する可能性があります。

地域の規制例

・漁業権の保護:漁場での海洋散骨が漁業組合の規定に違反する場合。
・観光地の管理規定:景勝地や国立公園内での海洋散骨が禁止されている場合。

実際のトラブル事例

・漁業関係者からの抗議:漁業関係者が「漁場で海洋散骨が行われた」として抗議し、関係者が謝罪する事態に発展。
・観光地での無許可散骨:観光地で無許可の海洋散骨が行われ、観光客や地元住民からの苦情が殺到。

解決策

・事前相談と許可の取得:海洋散骨を予定している地域の自治体や漁業関係者に事前相談を行い、許可を得る。
・地域ルールの遵守:ルールを守り、地域社会との調和を保つ努力を怠らない。

地域のルールに違反した場合

まとめ

海洋散骨は法律的には「節度を持った行為」として供養の一環であれば、違法ではありません。しかし、環境保護や社会的マナーを無視した行為は海洋散骨が違法性を問われる可能性があるため、注意が必要です。この記事を参考に、海洋散骨を計画する際には正しい知識と配慮を持って行動しましょう。

海洋散骨のコラム

お問い合せ・お申し込み

各種サービスのお問い合せなど、お客様のご要望に沿って海洋散骨のプランをご提案いたします。

ご不明点やご相談も弊社のコンシェルジュが誠意を持って対応させて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ

0120-426-388 土日を除く9:00〜18:00

メールでのお問い合わせ
お問い合せはこちら

メールでお問い合せをご希望の方は、ボタンからお進みください。





    0120-426-388 9:00〜18:00
    (土日を除く)